なんでもかんでもアトピー性皮膚炎?
公開日:2015年04月11日(土)
日本の診察時間の医師たちにアトピー性皮膚炎と診断された患者さんの写真を欧米の皮膚科専門医の友人たちに見せると、その90%以上はアトピー性皮膚炎以外の診断名がつきます。その理由は欧米ではアトピー性皮膚炎の診断基準は極めて厳格で、日本の診断基準が緩すぎるためです。
病気にはすべて原因があります。「アトピー性皮膚炎」の原因として、食事、ストレス、ホコリ・ダニアレルギーなどいろいろなことが言われています。それぞれの原因とそれに対する対処方法は一部の方には有効でも、他の方には無効です。
日本では、多くの異なる原因で発生する皮膚の病気を、すべて「アトピー性皮膚炎」と言う大きな箱にほり込んでいるのです。例えば、セキのでる病気をすべて「セキ出る病」と診断して治療する様なものです。風邪も、喘息も、結核も、肺癌もすべて「セキ出る病」とする様なものです。日本でアトピー性皮膚炎と診断されているものは、欧米では20人に1人位しかアトピー性皮膚炎とは診断されません。日本はアトピー性皮膚炎の大安売りです。
当院では、アトピー性皮膚炎と言う病名はできるだけ使わず、それぞれの状態や生活スタイルを詳しく観察し、できるだけ原因を探す努力をしています。原因が分かればそれに対する対処方法を説明致します。
よく「アトピー性皮膚炎」と診断されているもの
- 食直後にかゆみ、それから蕁麻疹型の大きな赤いはれ
- →食事アレルギー
- 夕方から夜間のかゆみ
- →ストレスで起こる心因性のかゆみ
- 冬場の膝下のかゆみ
- →乾燥肌に対する刺激(ジャージ・フリース・風呂の塩素濃度)
- 赤ちゃんの顔の赤み
- →よだれや母親の着ているフリースの刺激で発生する皮膚炎
- 季節性の顔のかゆみ
- →スギ・マツ・雑草などの花粉
- 肘膝・手の水疱
- →ニッケル・コバルトなどの金属アレルギー。(歯科用金属やチョコレートに含まれる。血中レベルが高くなると、汗と一緒に排出される。肘膝・手などの汗の溜まりやすい場所に好発。)