ステロイドを塗ると黒くなる?
公開日:2015年04月11日(土)
大間違いです。
ステロイドそのものではなく、ステロイドを溶かしているベースの軟膏(ワセリン)が問題です。ワセリン(プロペタも)は紫外線を通しやすいため、塗って長時間日光に当たると黒くなります。クリームであればその様な心配はありません。
逆に、炎症が長引くと、いっそう色素沈着が起きやすくなります。炎症が長引くと、表皮のメラニンが真皮に落ち込んで黒くなる訳です。膝下を両方同じくらい虫に刺された場合に、片方はステロイドを塗って、反対側は塗らなかった場合、明らかにステロイドを塗っていない側が黒いと言う実験結果があります。すなわち、ステロイドで早く治したほうが色素沈着は少ないです。
なお、赤みの強い病変の場合、ステロイドを塗って皮膚が黒くなったように見えることがあります。 。でもそれは、ステロイドを塗って赤みが消えたために、赤みによって隠されていた色素沈着が表に現れただけです。試しに赤みが強い部分の皮膚を指先で左右に引っ張って赤みを目立たなくすると、すでに黒くなっていることが分かります。